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社長メッセージ

社長メッセージ

100年に一度の変革期に、浅井産業だからできること

浅井産業は100年の歴史を持つ金属・ソリューションの専門商社です。鉄鋼や機械部品を中心に取扱品目は多岐にわたりますが、自動車マーケットの一部に位置づけられています。

その自動車をめぐる環境は、2010年代の後半から激変し、今まさに「100年に一度の変革期」とも呼ばれる局面を迎えています。車の動力源がガソリンエンジンだけではなく電気や水素など様々な選択肢が広がることに伴い、より多様で高度化していくニーズにしっかり対応していくべく、当社も変革していかなければなりません。

2022年度に策定した中期経営計画では、こうした背景を踏まえ、あくまで自動車産業に軸足を置きながら、縮小するもの、変わらないもの、拡大するものを見極め、この構造変化をチャンスと捉えて事業展開していくことを定めています。たとえば、エンジン用素材のニーズが減っても、足回りをはじめとする自動車の構成部品のニーズは変わりません。今後は、そうした分野で新しい材料を開発し、PR、拡販に取り組んでいくことが目標になるでしょう。そのためにも、取引額全体の75%を占める鉄鋼のほか、非鉄金属、その他加工品、機械の4部隊で、まずは近い未来の市場をしっかり見据えながら事業を展開していく予定です。

当社ではこれまでにも、従来の金属製の工具や部品について長寿命化を可能にする被膜などのソリューションの提供、工場環境を改善する油煙回収装置のマーケット開発を行ってきました。同様に今後も、CN社会・災害対応など新たな分野でも当社の営業力と開発精神で強みを活かしていけると考えています。同時に、ここ10年で拡大した国内外7つのグループ会社についても着実に成長を目指していきたいと考えています。

変わっていく社会を牽引するためにも、自ら変化する

私自身が最近特に意識して発信しているのは「変化を恐れない」ということです。「よく変わる」というとネガティブにも聞こえますが、社会がこれだけ変わってきているなかで、自ら社会を引っ張っていくには、むしろ「変わらない」方が問題と考えるからです。
働き方についても同様です。ここ数年は、東京オリンピックを期にフレックスタイム制度を導入し、パンデミックで在宅勤務を導入するなど、必要に迫られて働き方を変えてきましたが、結果として、多様な人が働きやすい環境が整いつつあります。最初は抵抗を感じることや、勇気が必要なことも、実行してみてよかったと思えることの好例です。今後もDXの推進や、グループ会社も含めた働き方の多様化などについても積極的に進め、企業理念にもある通り、「失敗を恐れず挑戦」することで成果を上げていきたいと考えています。

一方で、変えてはいけないこともあります。浅井産業で言えばそれは「誠実さ」です。現在、当社が多くの取引先様から信頼をいただけているのは、100年にわたり、一人ひとりの社員が「浅井の顔」として、様々な企業様の窓口商社として誠実に仕事を務めてきた積み重ねあってのことです。こうした「一人ひとりの心の持ち方」を今後も大切に、また鉄鋼という専門性を存分に活かしながら、この変化の時代を牽引していく覚悟です。

浅井産業株式会社

取締役社長 網本 尚史